作品をバーチャルな3Dギャラリーで見せる方法は、かつてないほど増えました。そして2026年は、そのサービス自体もかつてないほど変わった年です。Artstepsではもう展示を編集できません。Spatialは7月にクリエイター向けサービスを終了しました。Mozilla Hubsは自分でサーバーを用意して動かすものになりました。
主なサービスを、各社自身の料金・FAQ・利用規約のページで2026年10月6日に確認して比べました。料金も大事ですが、多くの「おすすめ」記事が触れない問いも確かめています。支払いをやめたら、展示はどうなるのか? アーティストにとっては、今日シェアしたリンクが来年も生きているかどうかを決める問いです。
お断り:Xibit360は私たちのサービスです。ほかのサービスが優れている点は公平に書くよう努め、各社についての記述はすべて各社のページや告知(SpatialとHubsについては、その告知を伝えた報道も)にもとづいています。
買い切りの展示室は、たとえばこんな部屋です。
ひと目で比べる
| サービス | 無料で公開できる? | 料金の仕組み | 支払いをやめたら | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| Xibit360 | はい(部屋1つ・作品5点) | 買い切り、サブスクなし | やめるものがない。閉じるまで公開 | 美しい部屋をずっと公開しておきたいアーティスト |
| Kunstmatrix | いいえ(無料プランは公開不可) | 月€10〜€50以上 | 展示は非公開 | 在庫管理や請求書も使いたいギャラリー |
| Artsteps | いいえ(編集は終了) | 閲覧は無料 | 既存の展示は「当面」閲覧可 | 過去の展示を見返す |
| Metasteps(Artstepsの後継) | いいえ(14日間の試用) | 月€14〜€99+クレジット | スペースは非公開 | 教育、複数人でのイベント、VR |
| ArtPlacer | いいえ(14日間の試用) | 3D展示は月$27から | 公開が続くとは書かれていない | 販売:部屋の合成写真、AR、サイト用ウィジェット |
| FrameVR | はい(試用プラン、同時8人まで) | 1スペース月$10〜$200 | 記載なし | 会議、授業、ライブイベント |
| Mozilla Hubs | ソフトは無料。サーバーは自分で用意 | サーバー代 月$38〜 | 自分のサーバー次第 | すべてを自分で管理したい技術チーム |
| Spatial | — | 企業向けのみ | クリエイター向けは2026年7月27日に終了 | 個人はもう使えない |
| oncyber | 無料のテンプレートあり | テンプレートはNFTで販売 | — | 暗号資産ウォレットを持つコレクター |
2年間でいくらかかるか
料金表はそのままでは比べにくいので、ひとつの現実的なケースで計算しました。20点の個展を24か月公開し続ける場合です。アート向けの有料サービスと、Hubsを自分で動かす場合について、それを公開できるいちばん安いプランで比べています(FrameVRの無料試用プランなら0ドルですが、会議向けで、同時に入れるのは8人までです)。
20点の展示を月払いで24か月続けたときの支払い総額(米ドル)。ユーロは欧州中央銀行の2026年10月5日の参照レート(1ユーロ=1.1204ドル)で換算。税金は含めていません。
| サービス(プラン) | 12か月後 | 24か月後 | 36か月後 | Xibit360のほうが安くなるのは |
|---|---|---|---|---|
| Xibit360(無料の部屋+展示室1つ) | $25 | $25 | $25 | — |
| Kunstmatrix Basic(月€10) | $134 | $269 | $403 | 3か月目から |
| Metasteps Creator(月€14) | $188 | $377 | $565 | 2か月目から |
| ArtPlacer Plus(月$27) | $324 | $648 | $972 | 1か月目から |
| Mozilla Hubs、自分で運用(月$38ほど) | $456 | $912 | $1,368 | 1か月目から |
年払いにすればサブスクの料金は15〜20%下がりますが、1年分を前払いすることになります。そのため上のどのサービスでも、最初の年払いの時点で、Xibit360の1回払い25ドルより高くなります。
Xibit360
向いている人:作品をいちばん良い状態で見せられる部屋を、毎月の請求なしで公開し続けたいアーティスト。
- 無料プラン:部屋1つに作品5点、額縁は全種、リンクで公開、期限なし。
- 料金:買い切り。展示室の追加(15点)25ドル、作品枠は1点3ドル、ビデオパス20ドル、テーマ8ドル、間取り5ドル、保存容量の追加は1GBで10ドル(100MBは無料で付いています)。サブスクはありません。
- 強み:作品ごとのギャラリー照明・額縁・マット、最大1,600ピクセルでの表示、説明文を読み上げる音声ガイド、壁で再生される動画、スマホのブラウザで開ける、自分のサイトへの埋め込み、SNS向けの紹介動画、来場者の画面は11言語、AIの学習には使われない。グループ展にも対応していて、主催者が会期分を1回払えば、参加するアーティストは無料です。
- できないこと:複数人での同時入場、アバター、VRヘッドセット。部屋の合成写真やARもありません。販売は自分のショップへのリンクで行います(サイト内での決済機能はなく、手数料もかかりません)。
Kunstmatrix
向いている人:3D展示と一緒に、在庫・見積もり・請求書も管理したい商業ギャラリー。
- 無料プラン:Starterは作品10点まで登録できますが、「公開の3D展示はなし」です。
- 料金:Basic 月10ユーロ、Regular 月25ユーロ、Professional 月50ユーロ(税抜き)。年払いで20%引き。
- 強み:長い実績(2009年から)、テンプレートの部屋、ARアプリ、有料プランのAI音声ガイド、学校・機関向けプラン。
- 弱み:無料プランでは何も公開できない。予約期間が終わると展示は非公開になる。画面は英語・ドイツ語・フランス語のみ。
- 詳しくは:Kunstmatrixの料金と代わりの選択肢
Artsteps
現状:Artstepsは、とくに授業での制作によく使われた、無料の3D展示ツールの代表格でした。いまはアプリに「Editing spaces is no longer supported on Artsteps」(Artstepsでのスペースの編集はサポートを終了しました)と表示され、新しい展示は有料の後継サービスMetastepsで作ることになっています。FAQによると、既存の展示は「当面」閲覧できます。
- 画質:ArtstepsのFAQによると、アップロードした画像は最大768×512ピクセルに縮小されます。
- 詳しくは:Artstepsの代わりに、作品をどこで見せるか
Metasteps(Artstepsの後継)
向いている人:授業、複数人でのイベント、VR。
- 無料プラン:なし。カード登録不要の14日間の試用のみ。
- 料金:Creator 月14ユーロ、Creator Pro 月29ユーロ、Business 月99ユーロ。公開時にはクレジットも使います。
- 強み:60種類以上のテンプレートとAIによる部屋の生成がある自由度の高い3Dエディタ、複数人での同時入場とVR、教育システムとの連携。
- 弱み:支払った期間が終わるとスペースは非公開になる。多くの作品は768ピクセルで表示される。スマホのブラウザは「推奨しない」とMetasteps自身が書いている。
- 詳しくは:Metastepsは無料?
ArtPlacer
向いている人:販売に力を入れるアーティストやギャラリー。部屋の合成写真、ARで「自分の壁に飾ってみる」機能、サイト用ウィジェット。
- 無料プラン:なし。14日間の試用のみ。
- 料金:アーティスト向けは月9ドル・16ドル・27ドル。バーチャル展示はPlus(月27ドル、年払いなら月23ドル)から。
- 強み:優れた合成写真とARのツール、購入/問い合わせボタン、顧客管理、11種類の3Dギャラリー。
- 弱み:3D展示にはPlus以上のプランが必要で、解約後も公開が続くとはArtPlacerは書いていない。動画作品は部屋の中では再生されず、YouTubeやVimeoのリンクとして開く。
- 詳しくは:ArtPlacerの料金と代わりの選択肢
FrameVR
向いている人:共有の3D空間で行う会議、授業、ライブイベント。
- 無料プラン:期限のない試用プラン。同時に8人まで、1アカウントで試用スペースは3つまで。
- 料金:1スペースにつき月10ドル・50ドル・200ドル。
- 強み:パソコン・スマホ・VRヘッドセットで使える。AIで環境を生成できる。自分の3Dモデルを読み込める。
- 弱み:展示ではなく共同作業のための設計。動画のアップロードは50MBまでを3本。自分のロゴを出せるのは月200ドルのプランだけ。
Mozilla Hubs(Hubs Community Edition)
向いている人:すべてを自分で管理できる、オープンソースのマルチプレイヤー空間がほしい技術チーム。
- 現状:Mozillaのサービスは2024年5月31日に終了。Hubs Foundationがコードを引き継いでいます。
- 料金:ソフトウェアは無料。サーバー代が最低でも月38ドルほどかかり、コマンド操作での設定も必要です。
- 詳しくは:Mozilla Hubsの代わりになるバーチャル展示
Spatial
現状:Spatialは2026年7月27日に、FreeとProのクリエイター向けサービスを終了し、アップロードされたファイルは完全に削除すると告知しました。残っているのはEnterpriseとEducationだけです。
oncyber
向いている人:ウォレットにあるNFT作品を飾りたいコレクター。
- 無料のギャラリーテンプレートが8種類。ほかはNFTとして販売されています。作品は暗号資産ウォレットから読み込みます。
- v2のサイトはいまオンチェーンのミニゲーム向けの「Autonomous World Engine」を「Coming Soon」と紹介していて、FAQのリンクも開けなくなっています。長く使うものを作る前に確かめておきたい点です。
選び方
3つの問いで考えてみてください。
- 複数人での同時入場やVRが必要? 必要なら、Metasteps、FrameVR、自分で動かすHubsを。
- 合成写真やウィジェットで販売するのが主な目的? それならArtPlacerが向いています。
- 作品をいちばん良い状態で見せられる部屋を、ずっと公開しておきたい? それがXibit360の役目です。最初の部屋は今日、無料で公開できます。
どれを選ぶにしても、作り始める前に、そのサービス自身が「支払いをやめたらどうなるか」にどう答えているかを読んでください。それが、展示とレンタルの違いです。
よくある質問
無料で使えるバーチャルギャラリーで、いちばんいいのは? 今回比べた中で、期限なしに無料で公開できるのはXibit360とFrameVRです(oncyberにも無料のテンプレートはありますが、暗号資産ウォレットとNFTが必要です)。Xibit360の無料の部屋は作品5点までで、展示のために作られています。FrameVRの無料プランは同時8人までで、会議やイベント向けです。Kunstmatrixの無料プランは公開できず、Artstepsでは展示の作成も編集もできなくなり、MetastepsとArtPlacerは試用のみです。
毎月の支払いがないバーチャルギャラリーはありますか? はい。Xibit360にはサブスクがありません。無料の部屋を公開し、大きな展示は買い切りです。20点の展示なら25ドルの1回払いです。
Artstepsはどうなったのですか? Artstepsでは展示の編集ができなくなり、運営元は新しい展示をサブスク制のMetastepsで作るよう案内しています。既存のArtstepsの展示は今も閲覧できます。
SpatialとMozilla Hubsはどうなったのですか? Spatialは2026年7月27日にクリエイター向けのホスティングを終了しました。Mozillaは2024年5月31日にHubsを終了し、現在は自分で動かすオープンソースのプロジェクトとして続いています。
無料ではじめる
デモギャラリーを歩いてから、無料の部屋を作って、今日公開してみてください。
このガイドの料金と引用は、すべて2026年10月6日に各社のページや告知で確認しました。プランは変わることがあるので、最新の条件は各社のサイトでご確認ください。
